9月25日(金)にプレリリースを控えた『リアリティ・フラクチャー』。ジェイス付与や模倣宇宙のカードなど、フレーバー面でも面白いカードが多数収録される本セット、cEDHの環境にどのような影響を与えるのでしょうか。
白
《見え隠れする猟犬/Flickering Hound》
誘発条件とブリンク先がクリーチャーになった《ディスプレイサーの仔猫/Displacer Kitten》。ETB能力を使いまわして嬉しいカードにはクリーチャーが多い一方で、仔猫の誘発条件は非クリーチャー呪文。統率者自身が強力なETB能力を持つ《秘密売り、ティヴィット/Tivit, Seller of Secrets》での活躍が主なものでした。
対してこのカードはデッキをクリーチャーに寄せておくだけで自然と能力を活用することが可能。《神経質な予見者、ヘルガ/Helga, Skittish Seer》のような、白入りのクリーチャーデッキで見かけることになりそうです。
《忠誠の教示者/Loyal Tutor》
ありそうでなかったプレインズウォーカー版教示者。cEDHにおいてプレインズウォーカーを多用するデッキといえば《ウェザーライトの艦長、シッセイ/Sisay, Weatherlight Captain》。ただ起動型能力でサーチしてくる都合上、あまり出番はなさそうです。
むしろこれまでサーチしづらさを理由にプレインズウォーカーの採用を躊躇していたデッキで活躍する可能性も……?
青
《理論家、ジェイス・ベレレン/The Theorist, Jace Beleren》
近年珍しくなくなってきた誘発型能力持ちのプレインズウォーカー。なんと各対戦相手のアップキープごとに1ドローします。3ターンまでは《一つの指輪/The One Ring》を上回るドロー効率を誇ります。
起動型能力もジェイスを守る上で有用なものばかり。採用するデッキは選ぶものの、上手くハマれば強力な1枚になりそうです。
《極端な迷い子、フブルスプ/Fblthp, Impossibly Lost》
一風変わった誘発条件のサボタージュ能力持ちクリーチャー。ダメージを与えるのがフブルスプでなくても誘発します。
戦闘ダメージを与えると2ドローというのは破格の性能ですが、解決時にフブルスプがデッキに戻ってしまいます。そのため単なるアドバンテージ源として採用するのはやや難しく、ライブラリーにカードがない時の特殊勝利も目当てに使っていくことになりそうです。
《聖サリアの霊/Geist of Saint Thalia》
コストパフォーマンス良好なコスト軽減クリーチャー。2マナで非クリーチャー呪文すべてのコストを軽減するのは例がない上、飛行持ちでアタッカーとしての運用も可能。専用構築でない限りコスト軽減は扱いづらいところがありますが、これだけ軽ければ活躍の場を見つけられそうです。
《ナクタムンの専制君主、サムト/Samut, Tyrant of Naktamun》
最近毎セット収録されているような気さえする対話拒否クリーチャー。今回は自分のインスタントやソーサリーに刹那を持たせます。
自分がアクティブプレイヤーである場合、呪文の解決後には自分が再度優先権を得ます。そのためこれ→《弱者選別/Culling the Weak》→《むかつき/Ad Nauseam》のような動きを安全に通すことが可能。ただし刹那を持つのはインスタントやソーサリーのみなので、《死の国からの脱出/Underworld Breach》や《ネクロポーテンス/Necropotence》のようなカードは無防備。
ほとんどの場面では《勝利の楽士/Voice of Victory》に軍配が上がりそうですが、独自の強みを持っていることも確か。インスタントやソーサリーのみで勝ちにいけるデッキや、軽い対話拒否を欲していた非白のデッキでは採用を検討できそうです。
黒
《リッチの秘宝/Lich's Relic》
黒1マナの装備品。装備品としてのスペックは特に注目に値しませんが、特筆すべきはそのETB能力。2マナを払うことで、各対戦相手のクリーチャーやプレインズウォーカーを1体ずつ破壊できます。
3マナでクリーチャー3体破壊は破格の性能。それでいて点数で見たマナコストは1であるため、《むかつき/Ad Nauseam》でめくりやすいのも嬉しいポイント。クリーチャーデッキが幅を効かせつつある現状では、さまざまなデッキで採用を検討できるかもしれません。
《屍術師としての歩み/Way of the Necromancer》
ジェイス付与をしつつ、プレインズウォーカーに能力を与える「歩み」サイクルの1枚。自身のクリーチャーが死亡するたびに、各プレインズウォーカーに忠誠度カウンターを乗せます。
クリーチャーが頻繁に死亡するプレインズウォーカーデッキといえば《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat, Doom of Fools》。単に場持ちを良くするだけではなく、奥義を起動するタイミングを手前にずらすことが可能。即座に勝てるわけではないものの、大きなアドバンテージを得られます。
赤
《棘唱の魔道士/Stingcaster Mage》
赤くなった《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》。待望の1枚と言いたいところですが、直近でインスタントである《フラッシュバック/Flashback》が収録されたばかり。速攻持ちクリーチャーであることに意味を見いだせるデッキでなければ、採用は難しいかもしれません。
《弱者選別/Culling the Weak》や《悪魔の意図/Diabolic Intent》のような、クリーチャーの生け贄をコストにする呪文をフラッシュバックする場合には《フラッシュバック/Flashback》よりも嬉しいことも。
《熱意ある偽造者、ヴェンセール/Venser, Fervent Forger》
マナコストこそ重いものの、それ相応にド派手な能力を持ったヴェンセール。自分の呪文やパーマネントを対象に取れないため、自前でのコンボを成立させづらいのが難点。もし採用する場合、対戦相手の《二重詠唱の魔道士/Dualcaster Mage》や《切断マジック/Saw in Half》を使ったコンボの上から無限に入れることは覚えておいて損はないでしょう。
緑
《人喰い植物の耕作者/Carnivorous Cultivator》
サボタージュで土地を回収する能力と、土地限定の《納墓/Entomb》を準備呪文として持つエルフ。《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》などをサーチする場合にはタイムラグが気になるものの、《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》を使い回せるのは便利。
《森の轟き、ルムラ/Lumra, Bellow of the Woods》や《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》といった墓地に土地を置くことに意味のあるデッキでは、追加の《納墓/Entomb》として運用することも可能です。
《霊気の苦行者、ピア/Pia, Aether Ascetic》
緑単でエンチャントがサーチできるように。とはいえ3マナ+手札1枚を捨ててまでサーチしたいエンチャントはそう多くありません。《食物連鎖/Food Chain》ならそのまま勝ちにいける上、本体もコストとして再利用できて無駄がありません。《原初の征服者、エターリ/Etali, Primal Conqueror》では定番の1枚になりそうです。
多色
《芽生えこだまの化身/Avatar of Burgeoning Echoes》
ジェイス付与自体はcEDHで活躍させづらい能力ですが、これだけ誘発条件が緩ければ話は別。これを採用するようなデッキでは積極的に上陸できるはずなので、概ね毎ターン1ドローとしての運用ができそうです。
惜しむらくはジェイス付与が1でも3でもないこと。上陸のたびにジェイストークンの忠誠度カウンターを使い切れる設計であれば、近年流行している《森の友、ジャヘイラ/Friend of the Forest》で上陸するたびに緑マナを生み出すことができました。
《石の魂、ヴラスカ/Vraska, Soul of Stone》
模倣宇宙におけるヴラスカ。アーティファクト・クリーチャーに警戒を与え、非クリーチャー呪文を唱えるたびに1/1の彫像・宝物アーティファクト・クリーチャー・トークンを生成します。
速攻がないとマナ加速としては心もとないものの、非クリーチャー呪文を唱えるたびにクリーチャーを展開できるのは強力。《永劫の好奇心/Enduring Curiosity》などでドローを進めつつ、潤沢なマナからコンボを仕掛けることが可能です。
《幽霊弁護士、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Ghost Counsel》
模倣宇宙におけるニヴ=ミゼット。これまでのニヴとは対称的に、ライフを得るたびにドローすることが可能です。
《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》とのコンボは分かりやすいところ。他にも様々なカードで無限コンボが成立するものの、そこからの勝ち筋がコンパクトではないのがこの色の辛いところ。マナは大量に必要ですが、《比類なき者、ドクター・ドゥーム/Doctor Doom, Unrivaled》に速攻を持たせるのが最もコンパクトでしょうか。
無色
《銀白の防衛者、カーン/Karn, Argent Defender》
概ね足の生えた《倦怠の宝珠/Torpor Orb》。あるいは無色の《門衛のスラル/Doorkeeper Thrull》です。無色のクリーチャーということで、様々なデッキで採用し得るのは嬉しいところ。
一方で、こういったカードを自分が影響を受けずに活用できるデッキは一握り。また刺さらないデッキにはとことん刺さらないカードなため、cEDHの戦場で見かける可能性は未知数です。
総評
「模倣宇宙」をテーマにしただけあって、これまでにない独自性を持ったカードが多い本セット。環境を激変させそうなカードはなかったものの、デッキ構築の幅を広げそうなカードが多数収録されました。
まだ注目を集めていないカードが活躍する可能性も秘めており、今後のcEDHシーンからも目が離せません。
